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東山吉貝耍孝海祭り

東山吉貝耍孝海祭り 吉貝耍は台南市東山区東河里に位置し、シラヤ族「蕭壠社」に属する。アリム(阿立母)信仰にかかわっては、毎年旧暦九月四日の夜に「アリム夜祭」がおこなわれるほか、九月五日正午に公廨近くの農道で「孝海」祭が挙行される。当日住民はお供え物を農道の両側にならべる。祭司は臨時の祭壇に悲壮な祈りを捧げる。西南方の大海に向って、来台時に海で遭難した先人たちの亡霊を慰めるもので、これが吉貝耍独自に発展した海の祭りである。

お供え物をした村民たちは、臨時の祭壇にお参りし、いっしょに「海戯」を見ようと誘う。祭司は村人および牽曲の女性を伴ってお参りする。牽曲の女性たちは古い歌を吟唱しながら祭壇の周りを回る。祭司は「尪祖拐」を手に神に請い、牽曲が終わると「卜筊」をする。聖杯後、助手は村人たちのお供え物の前に出向いて、酒瓶にサツマイモの葉を挿す。これを「洞酒孔」という。神霊がお供えをいただいたという意味で、約一時間半ほどで孝海祭は終了する。孝海祭からは吉貝耍の人たちの祖先への思いと伝統を受け継ぐ決意を感じる。内陸においておこなわれる海の祭りとして、台湾原住民の世界でも異彩を放つ。

頭社太祖夜祭り

頭社太祖夜祭り 頭社里は台南市大内區に属し、十九世紀初頭、玉井盆地に入る唯一の道として、交通の要衝にあたっていた。それゆえ頭社の名がついたという説とともに、また目加溜湾から内山に移転する際、曾文溪畔に最初にたてた支社であることから、この名があるともいう。十七・八世紀以来、シラヤ族四大番社新港社・蕭壟社・目加溜湾社および麻豆社の移転および漢人の開拓・進出により構築された頭社は、本部落と近隣集落を含めて、現在「頭社里」と総称される。

一年一度の「太祖夜祭」は毎年旧暦十月十四・十五日に挙行される。シラヤ族伝承の重要祭典として、規模最大かつ、もっとも著名な平埔夜祭である。夜祭の地点は太上龍頭忠義廟「頭社公廨」。シラヤ神霊太祖を代表する壷・甕のほか、公廨外に金鑪がもうけられる。また線香や金紙が使用されるところから、埔漢文化融合の典型がみられる。しかし頭社の夜祭は厳格なしきたりに則っておこなわれる。旧暦九月一日の「開天地向」の儀式は同胞の平安を祈るもの、十月一日の「開曲向」・「焼猪頭殼・竹刀・花環」ではビンロウを清めの意味で捧げ、神の降臨を祈願し、焼猪頭殼(ブタの頭を焼く)をおこなう。

十月十四日の「換令旗・換青・穿官衣」、十月十五日の「禁天地向」と続く。厳かな吟唱のなか粛々と儀式が執り行われる。住民が持ち込んだブタが供えられるときは、太祖に向って供えた者の名前とその理由が告知される。最後は翻猪と吟唱牽曲をもって祭事は終了する。そのあと乩童(神のお告げを語る)が米酒をブタの口中に注ぎ太祖に報告。「禁向」が完了すれば解散となる。太祖夜祭を通して、漢民族と融和・融合してきた平埔の歴史と文化を理解できよう。

最終更新日:2019 / 12 / 31
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